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以下に述べるはなしは、私がこれまでに相続の相談を受けたお客様の実例です。
90歳で亡くなった母の遺産をどう分けるのか、兄弟の主張が真っ向から対立しています。 兄夫婦は、母と同居し、介護もしてきました。相続財産は一戸建ての自宅(時価約3500 万円)と現金300万円の合計3800万円です。 母名義の自宅は同居している自分たち家族の自宅でもあるのだから、当然自分が相続した い。弟は現金300万円でがまんしてもらいたい、これが兄の言い分です。
兄は、「俺は長男として、お袋の生活の面倒を見てきたし、ずっと介護もしてきた。それにひ きかえ、おまえは東京に出て行ったままろくすっぽ帰って来もしないし、これまでお金だって 全然入れてないじゃないか!相続のときだけ半分くれなんて虫がよすぎる。おまえには 300万円でも多すぎるくらいだ!」と主張します。
しかし、弟は、「自宅を売れば現金で分けられるじゃないか。兄弟は平等だろ!俺にも半分 の1900万円をもらう権利はあるはずだ。」と話し合いはどこまでいっても平行線です。 このケース、結局、話し合いはまとまりませんでした。 お互いの主張にあまりにも開きがありすぎ、兄弟双方、互いに譲らないためです。 こうなると裁判所に入ってもらうしかないのですが、兄弟ともまだそこまでの決心はついてな いようで、相続手続きは、まだ手つかずのまま残っています。 たとえ、裁判所が間に立ったとしても、兄弟双方が納得できる分割はむずかしいでしょう。
このケース、実は相続税は一銭もかかりません。 相続税には遺産額から差し引かれる基礎控除額というものがあって、このケースでは相続 財産の3800万円は基礎控除額以下だからです。 しかし、このケースのように相続財産が自宅と少額の現金だけで、相続税がかからないと いう相続が実は一番もめるのです。 全国の家庭裁判所が扱った遺産分割調停事件の75%が相続税が一切かからない、相続 財産が5000万円以下の相続です。 それなのに、相続人同士では話し合いによる解決ができずに、裁判所に持ち込まれている のです。
相続は、相続人同士お互いの思惑、欲得、感情、生活環境がからみあって本当に複雑 です。 にもかかわらず、「子供たちはみな仲良しで、生活にも困っていない。」とか、「うちは財産が 少ないから全然心配してない。」といわれる方が実に多いのです。これはよくありません。 問題は財産の多い少ないにあるのではないことをご理解いただきたいと思います。
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急増する相続トラブル
相続対策と相続税対策のちがい
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相続は人の死亡によって開始します。人として生まれた以上、どなたにもご両親がいます。 順番通りなら、親は子供より先に亡くなります。だから、相続対策は100人中、100人全員 に必要なのです。
平成19年度の国税庁の統計データによりますと、同年度中に発生した相続のうち、相続税 がかかる相続の割合はわずか4%にすぎません。 つまり、大多数の相続では、税金の心配をする必要はないのです。 私の事務所に最初に相談にみえる方の多くは、このふたつの対策ー相続対策と相続税対策 ーを混同されているように思われます。
先ほど紛争事件全体の75%がそもそも相続税がかからない相続であるということをお話し しました。 このことは、すこし大胆に言い換えれば、相続財産が少ないほどもめるということを示して います。より端的にいえば、相続財産が少ない相続は、各相続人に割り当てる余地がほと んどない相続であるためにもめるということです。 大多数の方に必要なのは、相続税対策ではなく、相続対策のほうだということがおわかりい ただけたのではないかと思います。
このホームページは、おもに相続対策についてご説明しています。 相続対策とは、結局、相続財産をどのようにわけていくのか、の問題だと思われます。
興味のある方は、丸ごとわかる相続以下のページも参考にしてみてください。 |
